ジャンク ガーデン

DSC01342                                                     マンション暮らしの東京では、ベランダがガーデニングのスペースであった。今は小さいながら地べたの庭があるので、自分流のガーデニングを楽しんでいる。春先などは、パンジー ビオラ マーガレット デイジー サフィニアなんかの花物を楽しんでいるが、我が庭はグリーン達の数が圧倒的に多い。江の電で使われていた枕木を貰いに七里ケ浜まで行ったり、流木は海岸で調達し、植木鉢なんかも近所の公園のリサイクル物を使用したりと、基本お金をかけないから自己流ジャンクガーデンと言ってもいいだろう。それでも日課の水やりの時など、散歩中のご近所さんとガーデニング談義に花を咲かせたりし、こんな時ガーデナーとしてはたまらなく嬉しいもんだ。よく「ガーデニングで心に癒しを」みたいなこと耳にするけど、実際はかなりの手間と時間、それなりのエネルギーを遣う。風の強い日(ここ辻堂は海からの強風がよく吹く)は鉢が倒れはしないかと心配したり、霜が降りる真冬は、寒さに弱いグリーン達を移動したり、逆に夏場は直射日光が当らぬようにと、気遣いは欠かせない。大きく成長したプラントは根詰まりをおこさぬよう、一回り大きな鉢へ植え替えなければいけないし、肥料だってある時期はあげないといけない。それからなにより大切なのは、害虫や病気の発見だ。梅雨時に大量に発生するナメクジは、見逃すと新芽を食べ尽くされる。蝶や蛾の幼虫もガーデン要注意だ。ウドンコ病やカイガラ虫なども手遅れになると致命傷になる。一昨年の夏にはミツバチがグレープアイビーのハンギングに巣を作り、それを狙うスズメ蜂がやってきて大騒ぎになった。以前に首筋をスズメ蜂に刺されてから蜂が恐くなり、これからの季節は恐怖だよ。それから蚊が本番になる季節は蚊とり線香とキンカンは必需品だし、半月に一度の雑草取りもかかせない。そう考えたらガーデニングの仕事は想像以上に忙しい。それでもそこまでして手をかけるのは、きっとグリーン達の命を預かっているんだという使命感みたいなものが自分の中にあるからだろう。今日のようによく晴れた午前中グリーン達に水やりをした時に、光に反射してキラキラと輝く葉っぱを眺める様は、言葉では言い表せない幸福感がある。おそらくこの感じを癒しというんだろうな。この気持ちのやすらぎというものは、ギブ&テイクではないが、自分がエネルギーを注いだ結果得られるものであって、そうそうお手軽に手に入る類いのもんじゃないんだな。いとも容易く手に入る癒しなどあるはずがなく、何もせずただ癒されたいと願う人間の心根こそが卑しいんだろう。たかがガーデニング、されどガーデニングだな。「なんとグリーン達から教わることの多さよ」を実感する今日この頃です。