Star Dust

久しぶりに横浜の瑞穂埠頭にあるBar スターダストに寄ってみた。いつも車で行くからお酒は飲まず、ジュークボックスから流れてくる古いR&Bやロックを聴きながらコーラを一杯だけ注文する。夕暮れ時、奥の窓側のテーブルで運河を眺めながら聴くオーティスのドックオブザベイなんて、もう本当にたまらんよ。この曲がこんなにハマル場所はここ以外には思いつかない。昔俺達がロックに目覚めた頃は、今と違ってプロモーションビデオなんかなかった時代だ。だからレコードジャケットの写真を穴が開くほど眺め、どんな顔して歌うんだろう?とか どんな動きしながら演奏してんだ?もう想像力全快にして聴いていたもんだ。今は耳で聴くと同時に目からも音が飛び込んでくる時代だ。そして繰り返し流されるプロモーションビデオを見るたびに、その曲のイメージは完全に刷り込まれてしまう。そんな事を思うと、自分はいい時代に音楽と出会ったなと実感する。今日車の中でしばらくぶりにシカゴのサタディインザパークを聴いた時、俺の頭の中にあの景色が、それも鮮やかに蘇ってきたよ。まだこのシカゴの曲が国内で発売されてない時、友達の白人連中が船(オクラホマシティってヨコスカベースの司令官がのる巡洋艦)に遊びに来いよと誘われ、あいつらが待つオクラホマまでチャリで行ったんだよ。ドックに係留されてるオクラホマに乗り込んで甲板を歩いていたら、馬鹿デカいラジカセからこれまた馬鹿デカい音量で、バッバラババ バッバラババっとサタディインザパークのイントロが耳に飛び込んできたんだ。音の元を追っていったら、フレアーの作業用ジーンズにネーム入りダンガリーのシャツを着た兵隊達がデッキにラジカセを置いて、船首の方にある大砲辺りのペンキを塗っていたんだ。よく晴れた休日の午後、この曲が今見えてる景色にピッタシハマってしまい、鳥肌がたったくらいだった。こんな感じで曲に出会えるなんて、つくづく幸せな環境に恵まれていた事を思うと、心からありがたい気持ちになるよ。花もいいけど音楽もいいよね。画像 073