VOLVO For Life

ボルボ退院してから初めて海へ行ってきた。車に板を載せ茅ヶ崎のいつもの浜へ、波が良けりゃウェットに着替え少しでもいいから遊ぼうと思ったけど、あいにくの波で断念した。時間がたっぷりある時はチャリで鵠沼から辻堂さらに茅ヶ崎までポイントを探しながら遊んでる。波乗りは十代の頃やりはじめ、バンドマンになってからすっかり縁がなくなってしまっていたけど、ここ湘南に移り住むようになり数十年ぶりに復活したわけだ。だから若い連中のように上手く波をキャッチ出来ないし、1時間いじょう海につかってると体がしんどい。だからヘナチョコサファーだ。それでもおもしろいし気持ちがいい。数年前からスタンドアップパドルが流行だし、俺もお金を貯めてボードを手に入れ挑戦したいと思ってる。波乗りの話は別の機会にして、車の話をしよう。俺はここ十年以上ボルボに乗っている。そもそも世田谷にあったディラーと仲良くなったってことも理由のひとつだけど、なんとも古めかしい無骨さと、車が車であることをおもいっきり主張してるところがいい。燃費だの装備だの快適さを求めたらオールドなボルボは乗れない。また故障にビビったり、修理代や維持費を気にしたり、真夏のエアコンが効かないなどと恐れていてはボルボに乗る資格もない。それらすべての悪条件を十分承知したうえでなけりゃ、この車の良さはわからん。とはいえこの240セダンで三台目になるけど、850セダン、940ワゴン、いずれもずいぶんと手こずらされた。エンジンが始動しないこともたびたび、オーバーヒートやサンルーフが閉じなくなり雨漏りがしたり、いきなりバックにギヤーが入んなくなったり、真夏の昼間は窓全開にしないと気絶しそうになったりと悪戦苦闘の連続。この240も横浜元町でいきなりマフラーが落ちちゃって、ガラガラと騒音たてながらの走りは顰蹙のまとではあったけど、それでもこのボルボに惹かれてる。車が男のロマンであった頃そのまんま、家電のような車ばかりのなかで「俺はボルボだ!」と主張しまくってるのは実にかっこいい。むかし親父達が酒飲みながら「いい女ってどんな女だ?」ってな話になると、決まって俺はこう答えていたよ。「そりゃ寝てみなくちゃわかんねえだろ」なんか車選びも似た感じがするよ。いちいち性能だの燃費だの便利快適さだのを理由にあげてるようじゃ、本当の車好きとは言えない気がするけどな。それに「訳なんてないよ。よくわかんないけど、とにかく好きなんだ」のほうが嘘くさくない。せめて車ぐらい自分が好きなもん選びたいよな。ってなわけで、本日もボブマリーがんがんかけて海沿いの道走ってきたよ。