バンドに恋して。
甲子園の高校野球も終わり、気がつけば8月も早21日。
「暑くてたまらん、なんとかしてくれい!」と大騒ぎしていたのがついこの間の出来事、朝晩には秋の気配さえ感じるようになった。
さて、我らがハイウェイメンのリハが来週の火曜日に迫ってきた。今回は俺の病気の事などもあり、前回のリハ日から少々間が空いてしまった。周りから「休養十分で、練習時間もタップリですね」なんて言う声も聞こえてくるが、そうは問屋が卸さないのであるよ。
たしかにタップリ休んだし、練習するには有り余るほどの時間もあったのは事実である。「まだまだリハまでには時間があるから、大丈夫!」なんて楽勝モードでいたら、いつの間にか残された日数は一週間「こりゃヤベえ!猛練習しなくちゃ!」ってんで、毎晩必死でレパのおさらいをしている。
「ダメな奴だな、俺は。ガキの頃と、なんら成長しとらん」これじゃあまるで出来の悪い生徒が、ケツに火がつき慌てて一夜漬けに精を出しているのとちっとも変わらん。土壇場・瀬戸際・崖っぷちにならんとヤル気モードにならんとは、いよいよもって俺のグータラ加減も筋金入りだなと、一人密かに感心している。
でもね、この状況を苦しいとか辛いとか、これっぽっちも思わないのだよ。「好きなことしているんだから、そんなの当然だよ」なんて言っては身も蓋もない。
なんと言ったらいいのか、ドキドキしてるんだよ。「声は出るのか?」「音程は大丈夫か?」「ちゃんとリズムにノレるか?」「まわりの音をしっかり聞けるか?」等々の不安もなくはないが、そういゆうドキドキではないのだよ。
つまり、緊張からくるドキドキではなく、言うなれば「恋をしている感じ」と言ったらわかりやすいかも知れない。
現役の頃、毎月20日以上のライブをこなし、一人でいる時間よりもバンドメンバーと過ごす時間の方が圧倒的に長く、その当時にはこんな想いは正直感じていなかった。このメンバーでステージに立ち演奏することが当たり前の日常であったしな。
まさか40年経って、自分がバンドに対してこんな想いを抱くなんて、想像すらしていなかった。
甲子園で優勝した東海大相模の小笠原君が「これまで楽しい試合なんて、ただの一試合もなかった」と言っていたが、なんとなく彼の気持ちは理解出来る。
以前のブログで「今はガキの頃のバンド小僧みたいに、新鮮な気持ちで演奏出来ている」と書いたが、そうなのだ。
この今感じてるドキドキ感は、まさにバンドに、いやハイウェイメンというバンドに恋しているからなのだ。
齢65にして未だなお感ずるこの想い、有り難く素敵なものだと、つくづくバンドに感謝の気持ちでいっぱいです。
というわけで、本日も眠い目をこすりながら練習に励む所存であります。