後の祭り。

先日横浜のアウトレットに行き、ナイキのスポーツウェアを買い揃えた。

近頃じゃ、スポーツといえば海で波と戯れるていどしかやらない俺だが、シューズからパンツ、パーカーと、まるで「おまえはナイキの回し者か?」ってな感じではあるが、それで思い出した事があった。

花稼業をしていたその昔、ナイキのデザイナー達を集めて花のワークショップを行ったことがあった。

俺の店は目黒川沿いの青葉台にあり、代官山にも近く、有名無名も含め数多くのアパレル会社があった。

顧客にもアパレル関係が多く、ファッションショーやら展示会やらでよく花活けをしたものだ。

ナイキのデザイナーのオフィイスも顧客の一つであった。

ある時、そのナイキのオフィイスから花のワークショップの依頼があった。アメリカ人、中国人、それに通訳で今回のワークショップをコーディネートした日系のOさん、総勢10人ほどのレッスンとなった。

分野の違いこそあれ、クリエイター達の自由な発想と想像力が随所に見てとれ、それぞれがオリジナルティーに溢れた花活けを展開して、それは楽しいワークショップになった。

言葉による細かい説明より、感じる力の大切さと、なにより楽しむ事の重要性を感じたワークショップであった。

何事も 面白がってやれば、自ずと囚われない発想も浮かんでくるものだ。

それで最後にコメントを求められた。

「じつは、皆に謝ることがあるんだ。今日のワークショップには、ナイキのウェァーとシューズでコーディネイトしようと決めていたのに、あまりの忙しさのあまり、すっかりそのことを忘れてしまった。ごめんね、アディダス履いてきてしまって」そういって頭をペコリと下げた。

みんな笑顔で「ノープロブレム」って口をそろえていたが、本日のいでたちならば完璧だったのに。

どっかでこのブログを読んでくれたら、あの時のデザイナー達も納得してくれるかな。