恋しい春。

今年の冬は連日寒さが厳しい。そこで部屋の中だけでも春を呼び込むことにした。居間の出窓の前に小さな手作りのテーブルがあり、そこは一輪活けのコーナーになっている。

午前中から陽が差し込み、最近では陽の暮れるのが遅くなったのか、夕方頃まで早春の光が入ってくる。
たいがいは庭に咲いている花をちょっと摘んで活けることが多く、今回はパンジーとデイジーを活けてみた。庭で見かける表情とは異なり、野のすみれみたいな純情可憐なおもむきも残しつつ、パロット咲きのチューリップやカトレアのようなあだめく姿にも見てとれ、小さな丸テーブルの上が一気に春めいてきた。

なんとも絶妙な色合いに、思わず口元が綻ぶ。

花が放つパワーは凄いな。

春日遅々